木立に囲まれた四條畷神社の本殿

楠正行を祀る、飯盛山麓の神社

四條畷神社。なぜここに建ち、何を願う場所なのか。

御祭神と創建の経緯、神社公式が案内する御神徳、初めてでも迷わない参拝作法まで。長い石段の先へ向かう前に知っておきたいことを、写真と年代順の解説でまとめました。

Photo: Kuribo · CC BY-SA 3.0

最初に3分で全体をつかむ

墓所ではなく、
楠正行らを「祀る」場所。

四條畷神社の主祭神は、南北朝時代に四條畷の戦いで亡くなった楠正行です。弟の楠正時、和田賢秀など、同じ戦いで亡くなった二十四柱もあわせ、合計二十五柱を祀ります。

現在の社殿は中世から残るものではありません。戦いから500年以上後の1890年、地域の人々が境内地や金品を寄進し、土を運び、石を積んで創建した神社です。

主祭神
楠正行公
配祀
楠正時、和田賢秀ら二十四柱
創建
1890年4月5日に御鎮座祭
鎮座地
四條畷市南野2丁目18-1・飯盛山の西麓
墓所との違い
小楠公御墓所は約1km西にある別の場所
市名との関係
神社名が公共施設へ広がり、1932年の村名改称へつながった

なぜ、この場所に建てられたのか

戦場の記憶を、地域の人々が神社にした。

「昔からここにあった神社」と考えると、歴史を取り違えます。戦い、墓所の整備、創建運動、現在地への鎮座という順番で見ると、神社が建てられた意味が分かります。

四條畷市の資料に描かれた四條畷の戦いの場面
四條畷の戦いを表した市資料の図。戦いと同時代に描かれた絵ではありません。画像:四條畷市
  1. 四條畷の戦い

    楠正行は、北朝方の高師直・師泰らの軍と飯盛山麓一帯で戦い、弟の正時や一族・家臣とともに亡くなりました。

  2. 墓所を広げ、石碑を建立

    正行を葬ったと伝わる墓所が拡張され、高さ7.5mの石碑が建てられました。現在の小楠公御墓所です。

  3. 創建の勅許と社号

    住吉平田神社の神主・三牧文吾らが創建を願い出て、勅許が下り、「四條畷神社」の社号が与えられました。

  4. 飯盛山麓に鎮座

    市公式案内では、当初は墓所で着工し、のちに現在地へ移されたとされます。4月5日、地域の寄進と奉仕によって御鎮座祭が行われました。

  5. 神社名が、まちの名へ

    神社名が駅、学校、郵便局、警察署などへ広がり、甲可村は四條畷村へ改称しました。現在の市名にもつながる出来事です。

境内へ着くまでと、着いてから

写真でたどる、参道・石段・社殿・父子像。

同じ社殿写真を繰り返さず、町なかの参道から境内へ景色がどう変わるかを順番に並べました。すべて個人撮影者がWikimedia Commonsで公開した実景写真です。

四條畷神社の参道に立つ木造の一の鳥居と飯盛山麓へ続く道
01 / 参道の一の鳥居住宅地の道から、飯盛山麓の境内へ向かう起点

鳥居の先に続く道を東へ進むと、石段の入口へ着きます。Photo: Suikotei · CC BY 4.0

木々の間に長い石段が続く四條畷神社の入口
02 / 石段入口鳥居の奥から、長い上りが始まる

階段の段数と勾配が写真で分かります。雨天後や暑い日は無理をせず、体調を優先してください。Photo: 切干大根 · CC BY-SA 4.0

菊水紋の提灯としめ縄が掛かる四條畷神社の正面社殿
03 / 正面の社殿菊水紋としめ縄を、正面から見る

長い石段を上った先の境内。楠正行を主祭神とし、同じ戦いで亡くなった二十四柱も祀ります。Photo: 切干大根 · CC BY-SA 4.0

四條畷神社境内にある楠木正成と楠正行の櫻井の別れを表す父子像
04 / 櫻井の別れ父・正成から、子・正行へ託された物語

境内の父子像は、湊川の戦いへ向かう楠木正成が、子の正行に後を託して別れたと伝わる場面を表します。出来事の舞台は四條畷ではなく、現在の島本町にある桜井駅跡です。Photo: Maechan0360 · CC BY-SA 3.0

写真の作者・撮影日・ライセンスと、父子像の公的な説明は、ページ末尾の「参拝前の確認先」にまとめています。

ご利益を、神社公式の案内から確認

心願成就と、厄除・災難除けの「楠公さん」。

ここでいうご利益は、四條畷神社が公式に案内する御神徳・祈願内容です。参拝すれば必ず願いがかなう、病気が治る、利益が出るという保証ではありません。

01

心願成就

御祭神・楠正行の忠孝の人物像にちなみ、「なにわ七幸めぐり」では心願成就の御神徳が案内されています。決意を言葉にし、進む方向を祈る参拝です。

02

厄除・災難除け

「クスノキ」が古くから防虫・虫除けに使われたことにちなみ、神社は厄除・災難除けの「楠公さん」と紹介しています。

03

暮らしの節目

正式なご祈祷では、初宮詣、家内安全、安産、七五三、交通安全、自動車清祓などが案内されています。

04

仕事と願い事

商売繁昌、心願成就、団体・企業の祈祷も受け付けています。団体・企業は予約が必要です。

普通の参拝

本殿前で、自分でお参りする

境内を訪れ、賽銭を納めて拝礼します。ご祈祷を申し込まなくても参拝できます。

正式なご祈祷

社務所で受付し、神職が祈願する

受付場所は社務所、受付時間は9:00〜16:30です。初宮詣は初穂料10,000円から、個人の諸祈祷は5,000円からで、いずれも予約不要。団体・企業は10,000円からで予約が必要です。

  1. 社務所で祈願内容を伝える
  2. 申込用紙を記入し、初穂料を納める
  3. 案内に従ってご祈祷を受ける

ご祈祷・初穂料の最新案内へ 受付内容は変更される場合があります。

初めてでも迷わない

鳥居から本殿まで、参拝の作法を5段階で。

神社本庁が案内する一般的な参拝方法です。境内の掲示や神職から個別の案内がある場合は、現地の作法を優先してください。

四條畷神社の鳥居から本殿へ続く長い石段
鳥居と石段。足元に不安がある方は、無理をせず神社へ事前に経路をご確認ください。Photo: Suikotei · CC BY 4.0
  1. 1

    鳥居の前で一礼

    鳥居は境内への入口です。通行の妨げにならない場所で一度立ち止まり、軽く礼をして入ります。

  2. 2

    参道の中央を避けて進む

    中央は神様の通り道とされます。石段では形式より安全を優先し、手すりを使って無理のない速さで上ります。

  3. 3

    手水で清める

    柄杓がある場合は、右手で持って左手、持ち替えて右手を洗います。左手に水を受けて口をすすぎ、柄杓へ直接口を付けません。設備の利用方法は現地表示に従います。

  4. 4

    賽銭を納め、二礼二拍手一礼

    「二礼二拍手一礼」が一般的な形です。神前で姿勢を整え、二度深く礼をします。胸の高さで二度拍手し、手を合わせて感謝と願いを伝え、最後に一度深く礼をします。

  5. 5

    鳥居を出て振り返り、一礼

    帰りも参道の中央を避けます。鳥居を出た後、通行の安全を確かめて境内へ向き直り、一礼します。

一般的な参拝作法の確認先へ

人には聞きにくい参拝の疑問

お賽銭の金額から喪中の参拝まで、先に答えます。

四條畷神社だけの決まりが公開されていない項目は、神社本庁などの一般的な案内を基準にしています。正式な作法と、広く語られる語呂合わせ・慣習を分けて確認してください。

ご利益

少ない金額だと、ご利益も少ない?

金額でご利益の大小が決まるという公式な教えは確認できません。出雲大社も、祈りの心はお賽銭の金額で左右されないと説明しています。無理に高額を納める必要はありません。

言い伝え

5円・45円が正解? 避ける硬貨はある?

「5円はご縁」「45円は始終ご縁」は広く知られた語呂合わせです。「10円は遠縁」「500円はこれ以上の効果がない」といった話も、正式な作法やご利益の根拠ではありません。楽しみとして選ぶのは自由ですが、硬貨の種類に縛られる必要はありません。

納め方

遠くから投げ入れる方がよい?

お供えするものなので、賽銭箱の近くから乱暴に投げず、静かに納めます。混雑時は前の人に当てないこと、参拝の列を止めないことを優先してください。

願い事

願いは何個まで? 住所と名前は必要?

神社本庁の基本的な参拝案内に、願い事の個数や、住所・氏名を心の中で唱えることを必須とする決まりはありません。迷うときは、先に感謝を伝え、今いちばん大切な願いを自分の言葉で簡潔に伝えます。正式なご祈祷では、社務所の申込方法に従います。

作法

順番を間違えたら、最初からやり直す?

一般的な形は二礼二拍手一礼ですが、神社本庁は参拝作法に厳格な決まりはないと案内しています。間違いに気づいても、慌ててやり直す必要はありません。姿勢を整え、敬意をもって参拝します。

参道

中央を歩くと、失礼になる?

中央を神様の通り道として避ける慣習はありますが、絶対の規則ではありません。四條畷神社は長い石段があるため、転倒を避けることを最優先に、必要なら手すりを使います。混雑時は現地の案内に従ってください。

服忌

喪中でも参拝できる?

一年間の「服」と、身を慎む「忌」は分けて考えます。神社本庁は地域や家の慣習を優先し、特に決まりがなければ五十日間の忌中は参拝を控え、忌明け後は参拝して差し支えないと案内しています。迷う場合は家族や神社に確認します。

写真・服装

境内の撮影や、普段着での参拝は?

通常参拝に厳格な服装規定はありませんが、落ち着いた服装を心がけます。建物や境内の撮影は一般に可能でも、撮影禁止表示、祭典中の制限、神職の案内を優先し、他の参拝者を無断で写しません。正式なご祈祷の服装は申込時に確認してください。

お賽銭・参道・服忌・撮影・服装の確認先へ

現地で何を見るか

参拝だけで終わらせない、3つの見方。

「本殿を見て帰る」のではなく、参道から境内、墓所、飯盛山へ、無理のない範囲で歴史をつなげます。

緑に囲まれた四條畷神社の鳥居と石段
01 / 参道と石段

町から木立へ、景色が変わる

駅側から東へ進むと、住宅地の先で長い石段と木立に切り替わります。石段そのものが参拝の大きな特徴です。雨天後や暑い日は足元と体調を優先してください。

楠正行ら二十五柱を祀る四條畷神社の本殿
02 / 本殿

楠正行一人ではなく、二十五柱を祀る

主祭神は楠正行ですが、四條畷の戦いで亡くなった二十四柱も配祀されています。正時、和田賢秀らの関係を知ってから拝殿に立つと、個人の英雄をたたえるだけではない場所だと分かります。

楠正行・和田賢秀の人物記事へ →
四條畷神社から西へ約1km離れた小楠公御墓所の入口
03 / 小楠公御墓所

「墓所」と「神社」の役割を見比べる

墓所は楠正行を葬ったと伝わる場所、神社は正行らを神として祀る場所です。別の施設なので、地図上で位置を確認してから歩きます。住宅地にある墓所では静かに見学してください。

小楠公御墓所のMAP・経路 ↗

もう一歩、歴史を山へつなぐ

飯盛山の「願かけ登山」は、通常参拝とは別の体験。

願かけ登山は、授与所で願い札と登山之証を受け、願い事を書いて本殿へ参拝し、飯盛山頂の楠正行像前に願い札を掲げる流れです。願い札の案内は初穂料500円です。

  1. 1授与所で願い札と登山之証を受ける
  2. 2願い札へ願い事を書き、本殿へ参拝する
  3. 3登山口から飯盛山へ向かう
  4. 4山頂の楠正行像前に願い札を掲げ、安全に下山する

飯盛山は標高314mですが、通常参拝の延長で軽い気持ちで入る場所ではありません。歩きやすい靴、飲み物、日没までの時間、天候、通行情報を確認してください。登山が難しい場合は、授与所に願い札を預ける方法も案内されています。

四條畷神社の背後に続く飯盛山の山道と飯盛城跡の石垣
飯盛山には国史跡・飯盛城跡も残ります。Photo: Maechan0360 · CC BY-SA 3.0

訪問前に確認

四條畷神社への行き方

住所
大阪府四條畷市南野2丁目18-1
電車
JR学研都市線「四条畷」駅から東へ約1.0km・徒歩約20分(神社公式)
バス
近鉄バス「四條畷神社前」または京阪バス「四條畷神社」から東へ約650m・徒歩約13分(神社公式)
無料駐車場あり。台数に限りがあり、進入路は急勾配です

徒歩・バス・車の要点は上記で確認できます。現在地からの経路だけ、地図を別タブで開きます。

参拝前の確認先

ご祈祷・授与品・受付時間は、出発前に確かめる。

通常の参拝は予約なしでできますが、ご祈祷の受付時間、初穂料、授与品、祭典日は変更されることがあります。遠方から訪れる場合や、ご祈祷・お守りを目的にする場合は、出発前に最新の案内を確認してください。由緒や御祭神をさらに知りたい人のために、神社と公的機関の資料、写真の利用情報もまとめています。掲載内容の確認日:2026年8月14日。

ご祈祷・祭典・由緒の確認先を見る(19件)
  1. 01
    四條畷神社『四條畷神社について』詳しい案内を別タブで見る ↗
  2. 02
    四條畷神社『御祈祷のご案内』詳しい案内を別タブで見る ↗
  3. 03
    四條畷神社『アクセス』詳しい案内を別タブで見る ↗
  4. 04
    四條畷神社『飯盛山願かけ登山』詳しい案内を別タブで見る ↗
  5. 05
    四條畷市『四條畷八景と名所・旧跡』詳しい案内を別タブで見る ↗
  6. 06
    四條畷市『鎌倉・南北朝時代』詳しい案内を別タブで見る ↗
  7. 07
    四條畷市『市名の由来は?』詳しい案内を別タブで見る ↗
  8. 08
    神社本庁『参拝方法』詳しい案内を別タブで見る ↗
  9. 09
    大阪府『楠木正成・楠正行ゆかりの地』詳しい案内を別タブで見る ↗
  10. 10
    Wikimedia Commons『四條畷神社参道の鳥居』詳しい案内を別タブで見る ↗
  11. 11
    Wikimedia Commons『四條畷神社に上がる階段』詳しい案内を別タブで見る ↗
  12. 12
    Wikimedia Commons『四條畷神社の社殿(2018年撮影)』詳しい案内を別タブで見る ↗
  13. 13
    Wikimedia Commons『四條畷神社・櫻井の別れの父子像』詳しい案内を別タブで見る ↗
  14. 14
    神社本庁『お賽銭の今と昔』詳しい案内を別タブで見る ↗
  15. 15
    出雲大社『お賽銭の金額はいくらがよいのでしょうか?』詳しい案内を別タブで見る ↗
  16. 16
  17. 17
  18. 18
    神社本庁『よくある質問(英語)』詳しい案内を別タブで見る ↗
  19. 19
    東京都神社庁『参拝の作法』詳しい案内を別タブで見る ↗